📰 生成AIニュースメモ

Anthropic、Mythosクラスの「Claude Fable 5」と「Mythos 5」を公開

🗓 2026年6月10日#Anthropic#Claude#AI安全性

「生成AIニュースメモ」は、生成AIの最新ニュースを要点3行+詳細メモで記録していくシリーズです。関連するG検定キーワード解説への内部リンク付きで、最新動向のキャッチアップと試験の時事対策に使えます。

⚡ 3行まとめ
  1. 1Opusクラスを上回るMythosクラスから、一般向けの「Claude Fable 5」と限定提供の「Claude Mythos 5」を同時公開
  2. 2サイバー・生物化学・蒸留に関する要求は分類器が検知し、応答をClaude Opus 4.8へ切り替える安全策を導入
  3. 3価格は入力100万トークンあたり10ドル・出力50ドルで、Claude Mythos Previewの半額未満

Anthropicは2026年6月9日(米国時間)、Opusクラスの上に位置づけた「Mythosクラス」の新モデル、Claude Fable 5とClaude Mythos 5を同時に公開しました。Fable 5は安全策を組み込んだうえで一般向けに提供され、Mythos 5は同じ基盤モデルから一部領域の安全策を外したもので、Project Glasswingの参加者など限られた相手にだけ提供されます。Fable 5は同社がこれまで一般提供したどのモデルよりも高い能力を持ち、長く複雑なタスクほど従来モデルとの差が開くとしています。

2つのモデルの位置づけ

  • Claude Fable 5 — Mythosクラスを一般利用向けに安全化したモデル。当日から全ユーザーが利用でき、ソフトウェア開発・ナレッジワーク・視覚・科学研究など、ほぼすべての評価で最高水準とされる
  • Claude Mythos 5 — Fable 5と同一の基盤モデルで、一部領域の安全策を解除したもの。Claude Mythos PreviewからのアップグレードとしてProject Glasswing経由で米国政府と協力して展開され、サイバーセキュリティ能力は世界最強とされる
  • 価格 — 入力100万トークンあたり10ドル、出力100万トークンあたり50ドル。Claude Mythos Previewの半額未満。開発者はClaude APIで claude-fable-5 を指定して利用する

サブスクリプションへの展開は段階的です。需要の予測が難しいことから、Claude APIと従量課金のEnterpriseプランでは当日から全面提供する一方、6月9日から6月22日まではPro・Max・Team・シート課金のEnterpriseで追加費用なく利用でき、6月23日以降は利用クレジットが必要になります。容量に余裕ができ次第、標準プランの一部として戻す方針も示されています。

能力の評価

  • ソフトウェア開発 — Stripeは、5,000万行のRubyコードベース全体の移行を、手作業ならチームで2か月以上かかる作業を1日で終えたと報告。CognitionのFrontierCodeでは中程度のeffortでもフロンティアモデル中で最高スコア
  • ナレッジワーク — HebbiaのFinance Benchmark(上級者向けの推論)で全モデル中最高スコア。IMCはトレーディング分析の評価で、事実の照会・概念的推論・根本原因分析・期待値分析をほぼ全面的にこなしたと報告
  • 視覚 — 詳細な科学図から正確な数値を抽出し、スクリーンショットだけからWebアプリのソースコードを再構築。従来モデルが補助ツールを与えても苦戦したポケモン ファイアレッドを、視覚のみの最小限のハーネスでクリア
  • メモリと長文脈 — 数百万トークンにわたる長時間タスクで集中を保ち、自らのメモで出力を改善。Slay the Spireでは、ファイルベースの永続メモリによる性能向上がOpus 4.8の3倍で、最終幕への到達回数も3倍
  • 創薬 — Mythos 5により社内のタンパク質設計の一部工程が約10倍高速化。結合部位の選定、設計ツールの選択と実行、失敗からの復帰まで人手なしでこなし、14個の標的のうち9個で有力な候補を得た
  • 分子生物学 — 盲検の比較で、研究者はMythos 5の仮説をOpusクラスより約80%の割合で選好。大腸菌タンパク質の新しい機構という仮説が、同じ問題に独立に取り組んでいた研究で裏づけられた
  • ゲノム研究 — 1週間以上ほぼ自律で作業し、138種・数百万細胞の単一細胞データを整備。遠縁の生物間でも同じ役割の細胞を見分ける機械学習モデルを設計・訓練し、Science誌掲載のモデルを100分の1のサイズで上回った
  • アラインメント — 自動評価における不整合な振る舞い(欺瞞や誤用への協力など)は低い水準で、Opus 4.8と同程度

Fable 5とMythos 5は、これまでのClaudeより長い時間、自律的に作業を続けられるとしています。以下は公表された分野別の評価です。

新しい安全策(セーフガード)

  • サイバーセキュリティ — 脆弱性の発見・悪用に加え、偵察・探索・横展開などエージェント型ハッキング全般を対象。評価では分類器がタスクの進行を阻止した。1,000時間を超える外部バグバウンティでも汎用的なジェイルブレイクは見つからず、外部レッドチームも長時間のエージェントタスクでは未発見(英国AISIのみ短期間の初期検証で一定の進展)。外部パートナーの検証では、サイバー攻撃の計画・エクスプロイト開発・防御回避に関する有害な単発要求への応諾はゼロで、30種類の公開ジェイルブレイク手法を用いた場合も同じだった
  • 生物・化学 — 従来は生物兵器関連の狭い範囲だけを遮断していたが、当面は生物・化学に関する大半の要求をOpus 4.8へ回す。背景として、Dyno Therapeuticsが開発した未公開候補を用いたAAV(アデノ随伴ウイルス)の外殻形成の予測課題で、Mythosクラスがタンパク質専用のモデル(タンパク質言語モデル)を生物学的推論だけで上回ったことを挙げている
  • 蒸留 — Claudeの能力を抽出して競合モデルを訓練しようとする大規模な試みが確認されており、そうした要求と判定されたものもOpus 4.8へ回す

Mythosクラスは重大なリスクを伴う水準に達したとして、2026年4月にはProject Glasswingを通じてClaude Mythos Previewをサイバー防御側と重要インフラ提供者に限定公開していました。その後の安全策の改良により一般公開に足る強度になったと判断した一方、安全を優先して保守的に調整しているため、無害な要求が分類器に引っかかることもあるとしています。

Fable 5には誤用やジェイルブレイクの試みを検知する分類器(本体とは別のAIシステム)が組み込まれています。検知した場合の応答はClaude Opus 4.8が代わりに担当し、その旨がユーザーに通知されます。拒否ではなく能力の高い別モデルへの切り替えという設計で、初期データでは95%以上のセッションで切り替えは発生せず、発動は平均して全セッションの5%未満とされています。

データ保持ポリシーの変更

Fable 5、Mythos 5および今後の同等以上の能力を持つモデルについて、法人顧客のデータの取り扱いが変わります。自社・他社いずれの提供面でも、Mythosクラスの全トラフィックで30日間のデータ保持を必須とします。このデータをモデルの学習や安全性以外の目的に使うことはなく、人によるアクセスの記録や、ほぼすべての場合の30日後の削除といった保護措置を新たに設けています。複数のリクエストにまたがる攻撃や新しいジェイルブレイクへの防御と、誤検知の削減に使うとしています。

提供範囲と信頼アクセスプログラム

Claude Mythos Previewを利用できるユーザーは当日からMythos 5へ移行できます。多くの場合、Mythos Previewと同等かやや強力で、コストは大きく下がるとしています。米国政府と協議しながらパートナーを追加していくとともに、サイバーセキュリティ組織が体系的に申請できる信頼アクセスプログラムを進める計画です。生物分野についても、サイバーの安全策は維持したまま生物・化学の安全策を外したFable 5を、基礎研究から橋渡し研究まで幅広いライフサイエンス組織の少数の研究者へ開放するプログラムを準備しているとしています。

発表ページのその後の更新

  • 2026年6月12日 — Claude Fable 5とClaude Mythos 5へのアクセスを一時停止すると告知。顧客への影響を謝罪し、可能な限り早期の復旧に取り組むとした
  • 2026年7月1日 — Claude Mythos 5とFable 5を再展開し、利用可能になったと告知
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🔗 出典(一次ソース)
https://www.anthropic.com/news/claude-fable-5-mythos-5
※本記事は一次情報をもとに要約・再構成したものです。詳細は出典をご確認ください。