SB Intuitions、国産LLM「Sarashina3 mini / nano」を公開
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- 1日本語に強い国産LLM「Sarashina3 mini」と軽量版「Sarashina3 nano」をフルスクラッチ開発で公開
- 230Tトークンの事前学習と多段階の強化学習により前世代から大幅に性能向上
- 3日本文化QAではQwen3-235BやGPT-4.1・GPT-5.4 miniを上回り、デジタル庁ガバメントAIの試用モデルにも採択
SB Intuitionsは2026年6月30日、フルスクラッチで開発した国産LLM「Sarashina3 mini」と軽量化版「Sarashina3 nano」を公開しました。日本語・英語を中心に30Tトークンの事前学習と多段階の強化学習を組み合わせた新しい学習パイプラインにより、前世代のSarashina2 miniから多様なタスクで大幅な性能向上を実現しています。実用性と信頼性が評価され、デジタル庁が推進するガバメントAIの試用モデルにも採択されました。
モデルの特徴
- ▸日本最大規模の事前学習 — 日本語・英語中心の30Tトークンの高品質データで事前学習。独自の品質フィルタリングやデータ合成でデータを拡充し、学習段階に応じて配分を変えるカリキュラム学習を採用
- ▸多段階の強化学習 — 能力を順次学習するカスケード学習と複数能力の同時学習を組み合わせ、指示追従・数学・ツール利用を強化。非同期強化学習で大規模な学習を効率化
- ▸エージェント能力 — 多様なSFTデータと内製の合成データパイプラインで生成したエージェントタスクデータで学習し、複数ツールの同時呼び出しやマルチステップのタスクに対応
- ▸日本語能力 — 社内に大規模な日本語アノテーション・評価体制を構築し、テスト結果をスタイル調整の強化学習やOPSD(オンポリシー自己蒸留)へ反映するフィードバックループを複数回実施
両モデルは長い思考を必要としないInstructモデルで、ユーザーの入力に素早く応答できます。
想定ユースケース
- ▸検索ツールを使ったチャット — 質問内容に応じて自律的に検索して回答。過剰な装飾を減らした回答スタイルに調整済み
- ▸複数ツールの自動選択・呼び出し — 株式取引ツールで銘柄検索・詳細取得・取引実行をユーザーと対話しながら遂行
- ▸指示追従 — 表データを、指示に含まれる複数ルールに従ってJSON形式へ変換
- ▸口コミデータ分析 — 高速なSarashina3 nanoで大量の口コミを並列処理し、ポジティブ・ネガティブ項目とスコアを推定
ベンチマーク結果
- ▸評価項目 — 日本語対話(ELYZA-tasks-100)・日本文化QA(JamC-QA)・数学(AIME 2025)・コーディング(MBPP+)・指示追従(IFBench)・ツール呼び出し(BFCL v3)・エージェント(τ2-bench Telecom)・安全性(Answer Carefully)の8種
Sarashina3 miniは前世代のSarashina2 mini比で全ベンチマークのスコアが向上し、特に数学・コーディング・指示追従・エージェント性能で顕著に改善しました。Qwen3-235B-A22B-Instruct-2507やGPT-4.1・GPT-5.4 mini(non-reasoning)と全体的に同程度の性能で、日本文化・社会常識QAのJamC-QAではこれらを上回っています。
BFCL v3ではGPT-4.1と同等、より複雑なタスクを評価するτ2-bench(Telecom)ではQwen3-235Bと同等以上の性能を示し、日本語の出力安全性を測るAnswer Carefullyでも高いスコアを維持しています。軽量なSarashina3 nanoは小型OSSモデルのQwen3-4B-Instruct-2507を日本語性能はじめ多くの領域で上回り、スループット重視の用途や単純タスクの大量処理に適するとしています。
提供状況
両モデルは商用APIとして提供が開始されました。SB Intuitionsは2025年11月からSarashina2 miniを商用APIとして提供しており、その後継にあたります。開発元は、Reasoningモデルが広く普及した現在求められる水準にはエージェント能力などでまだ達していない点もあるとして、継続的な改善に取り組むとしています。
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