MiniMax、マルチモーダル生成モデル「H3」を発表
「生成AIニュースメモ」は、生成AIの最新ニュースを要点3行+詳細メモで記録していくシリーズです。関連するG検定キーワード解説への内部リンク付きで、最新動向のキャッチアップと試験の時事対策に使えます。
- 1テキスト・画像・動画・音声の文脈を統一的に理解し、ステレオ音声付き動画を最大15秒・2Kで生成する汎用マルチモーダル生成モデル
- 22Kの秒単価は主要モデルの3分の1未満で、モデルの重みも数日中に公開予定
- 3指示追従・テキスト描画・モーション転送に強く、広告・EC・ゲームなどの商用制作に対応
MiniMaxは2026年7月31日、汎用マルチモーダル生成モデル「MiniMax H3」を発表しました。テキスト・画像・動画・音声にまたがる文脈を統一的に理解し、ネイティブステレオ音声付きの動画を最大15秒・2K解像度で生成します。2Kでの秒単価は主要モデルの3分の1未満という価格性能を掲げるほか、オープンソースコミュニティの支援などのため、法令の範囲でモデルの重みを数日中に公開する計画も明らかにしました。
H3の概要
- ▸生成能力 — ネイティブステレオ音声付きの動画を最大15秒・2K解像度で生成。2K解像度が既定
- ▸得意分野 — 指示追従、正確なテキスト・ブランド描画、V2V(動画から動画)のモーション転送。広告・ブランディング・EC・製品デザイン・UI/UX・ゲームなどの商用制作に対応
- ▸価格性能 — 2Kの秒単価は主要モデルの3分の1未満、768pは主要モデルの720pの半額未満
- ▸重みの公開 — オープンソースコミュニティの支援やAIハードウェア対応の加速のため、法令の範囲で数日中に公開予定
複数モダリティの入力を自然言語で関係づけて指示できるのが特徴です。例えば「動画1のヒッチコック風カメラワークを参照し、画像2の人物に音声3に合わせて歌わせる」のように、文脈と生成したい動画の関係を言葉で記述するだけで、モダリティをまたぐ複雑な理解をモデルが自律的に処理します。
設計思想:タスクの境界を壊す
従来の生成モデルは、画像生成だけでもテキストからの生成・編集・被写体参照・モーション参照・スタイル参照が別々の専門モデルに分かれ、動画生成はさらに細かく分断され、画像・動画・音声の間にも明確な境界がありました。この分断が創作の自由度と学習時の汎化能力の双方を制約していたとして、H3では「タスクの統一と汎化」を開発の第一原理に据えています。
事前学習では、テキストからの画像・動画・音声生成を統合的に扱い、声・効果音・音楽も分離せずにモデル化しています。参照・編集の関係は固定のタスク集合ではなく自然言語で表現し、言語を汎化への橋渡しとして使う設計です。
主要技術
- ▸Contextual Omni Representation — 言語を橋渡しにタスクを開かれた記述形式へ統一。素材あたり約10万トークン規模の推論を平均約4千トークンに蒸留する全モダリティ理解パイプラインを構築
- ▸H3-VAE — トークナイザを全面刷新し、実効シーケンス長を4倍に拡大。学習・推論コストを大幅に削減し、ネイティブ2K対応を支える中核技術
- ▸H3-Omni Transformer — 理解と生成のワークロードを分離してそれぞれのハードウェア利用率を高める学習アーキテクチャで、学習スループットを約30%向上
- ▸In-Context Regeneration — 専用の超解像モジュールを使わず、ベースモデル自身が低解像度出力を文脈内で再生成して2K出力を実現。従来の超解像では「推測」しかできない細かな文字やディテールを復元
今後の計画
今後のバージョンでは、M系列モデルの能力の統合によるマルチモーダル理解の強化、モデル規模のスケーリング、より高い解像度と視覚的忠実度の追求を優先事項に挙げています。H3の技術レポートも近日公開予定としています。
関連キーワードの解説記事で、背景となる技術・概念を確認できます。
最新のまとめ号はこちらです。その月の生成AIニュースの全体傾向と、G検定試験風の理解度チェック問題を1本にまとめています。
