Anthropic、「Claude Opus 5」を公開 Fable 5に迫る知能を半額で提供
「生成AIニュースメモ」は、生成AIの最新ニュースを要点3行+詳細メモで記録していくシリーズです。関連するG検定キーワード解説への内部リンク付きで、最新動向のキャッチアップと試験の時事対策に使えます。
- 1コーディングと知識労働の評価で最高性能を更新。価格はOpus 4.8と同じ入力$5/出力$25
- 2新規問題を解くARC-AGI 3では次点モデルの3倍のスコア
- 3自動行動監査では同社史上最もアラインメントされたモデルという評価
Anthropicは2026年7月24日、新モデル「Claude Opus 5」の提供を開始しました。最上位モデルClaude Fable 5のフロンティア知能に半額で迫る「思慮深く積極的」なモデルと位置づけられ、Frontier-BenchやGDPval-AAといったコーディング・知識労働の評価で新たな最高性能を記録しています(サイバーセキュリティタスクではMythos 5が上回ります)。他のモデルより効率的に動作する「毎日使うための」モデルとして設計され、Claude Maxの新しい既定モデルかつClaude Proで使える最強モデルになりました。
性能とコスト効率
- ▸Frontier-Bench v0.1 — 全モデルを上回り、Opus 4.8の2倍超の性能をより低いタスクあたりコストで達成
- ▸CursorBench 3.2 — max effortでFable 5のピークスコアの0.5%以内に、タスクあたり半額で到達。high・xhigh・maxの各effortで、同コストあたりの性能は全モデル超え
- ▸ARC-AGI 3(新規問題の解決) — 次点モデルの3倍のスコア
- ▸Zapier AutomationBench(業務をはじめから終わりまで完遂できるか): 同コストで次点の約1.5倍の合格率。最低のeffort設定でも他のどのモデルより多くのタスクに合格
- ▸OSWorld 2.0(コンピュータ操作) — あらゆるコスト水準で他モデルを上回り、Fable 5の最良結果を約3分の1のコストで超える
effort(努力)設定によって知能重視とトークン節約のバランスを調整でき、掲載チャートは設定ごとの性能変化を示しています。科学研究では、構造生物学・有機化学・バイオインフォマティクスなどを扱う生命科学の全社内評価でOpus 4.8を上回りました。特に分光データからの分子構造推定など有機化学のタスクで+10.2ポイント、タンパク質の配列変異が機能に与える影響の予測で+7.7ポイントの改善です。空気の流れを可視化する風洞デモなど、視覚的な出力も大きく強化されています。
働きぶり: 検証と粘り強さ
- ▸図面を直接見られない条件でのFrontier-Benchタスクで、自らコンピュータビジョンのパイプラインを書いて生のピクセルから形状を抽出し、FreeCADの3D機械部品モデルを繰り返し再構築(同条件の競合モデルは5回試行しても解けず)
- ▸人気OSSパッケージマネージャの実バグで、コミュニティのパッチが見逃していたエッジケースまで根本原因から修正(競合モデルは表面的な症状のみ直して解決済みと報告)
- ▸トレーディング企業のエンジニアが1セッションで新取引所の市場データフィードを構築。検証用のライブフィードがないため、Opus 5はコードが取引所のデータを正しくパースするか確認する自前のテストハーネスまで構築(従来モデルは詳細な計画を与えても完遂できなかったタスク)
アラインメントと安全性
デプロイ前の自動行動監査では、総合的なミスアライメント挙動のスコアが2.3と近年のモデルで最も低く、同社史上最もアラインされたモデルと評価されています。Claudeの憲法への準拠はOpus 4.8・Sonnet 5・Fable 5より高く、欺瞞的な挙動の発生率が最も低く、悪用へ誘導される騙されやすさも最も低いとしています。また、取り返しのつかない副作用を招きかねない無謀な行動の回避でも最も安全なモデルとしています。
一方、危険なデュアルユース能力ではフロンティアを進めていません。民間・政府パートナーとの厳格な評価により、生物学研究と攻撃的サイバーの双方でMythos 5を下回ることが確認されています。前世代同様、サイバータスクでの訓練を意図的に避けましたが、一般能力の向上に伴いこれらのタスクも大幅に改善しており、脆弱性の発見ではMythos 5に近づいています。ただし脆弱性を実質的なサイバー脅威に変える悪用(エクスプロイト開発)では大きく下回ることが、OSS-Fuzz評価(人間の広範な誘導なしに脆弱性を発見し悪用する能力の評価)で示されています。
セーフガード
Opus 5のサイバー分類器はFable 5のものより比例的に制限が緩く、ソースコードの脆弱性発見は許可しつつ、悪意ある行為者と結びつきやすいバイナリベースの脆弱性スキャン、ペネトレーションテスト、エクスプロイト生成はブロックします。テストに基づき、分類器の介入はFable 5比で約85%少なくなる見込みです。Claude.ai・Claude Code・Claude Coworkでは、フラグされたリクエストは既定でOpus 4.8にフォールバックし、APIでもフォールバックを有効化できます。すでにCyber Verification Program(CVP)に参加している企業・研究者は、セキュリティ制限の少ないバージョンへ即時アクセスできます。
生物学の安全策はOpus 4.8と同等で、これによりOpus 5は一般提供モデルとしては科学研究向けに最も有能なモデルになりました。ただし、生物学関連リスクが最も大きいと見込まれる長時間の自律研究タスクには依然重要な制限があり、この種の生物学研究ではMythos 5が引き続き優位としています。今回のローンチに伴い、Fable 5でブロックされた生物学関連リクエストはOpus 4.8ではなくOpus 5へルーティングされるようになります。
提供と新機能
Claude Opus 5は全プラットフォームで即日提供され、価格は入力$5/出力$25(100万トークンあたり、Opus 4.8と同額)。開発者はClaude APIでclaude-opus-5として利用できます。既定の約2.5倍の速度で動くFastモードも、基本価格の2倍でClaude Platformおよび(利用クレジット経由で)Claude Codeにて提供されます。従来のOpusモデル同様、一般アクセスにデータ保持要件はありません。
あわせて2つの機能がベータ公開されました。Claude Platformでの会話中のツール変更(プロンプトキャッシュを無効化せずに利用可能なツールを変更できる)と、APIの自動フォールバック(Opus 5やFable 5で安全分類器にフラグされたリクエストを、ブロックせず自動的に別モデルへルーティングする設定)です。
関連キーワードの解説記事で、背景となる技術・概念を確認できます。
