【G検定】世界初の汎用コンピュータのエニアック（ENIAC)

世界初の汎用コンピュータ(エニアック(ENIAC))

ENIAC (Electronic Numerical Integrator and Computer) は、最初の汎用電子計算機です。1946年、アメリカのペンシルバニア大学でジョン・モークリーとジョン・プレスパー・エッカートによって世界初の汎用電子式コンピュータが開発されました。これは第二次世界大戦中に開発され、大砲の射撃表を計算するために必要な複雑な計算を実行するために、米国陸軍の弾道研究所によって委託されました。

エニアックの構成

エニアックは約 1,800 平方フィートの面積を占め、重さ約 30 トンの巨大な機械でした。コンピューターは、18,000 本の真空管、70,000 個の抵抗器、および 10,000 個のコンデンサーで構成され、約 150 kW の電力を消費するほどの非常に巨大な電機計算機で、現代のコンピューターと比較してその巨大なサイズと限られた計算能力にもかかわらず、当時は圧倒的な計算力を誇っており、いずれは人間の能力を凌駕するだろうと言われていました。

毎秒 5,000 回の計算を実行でき、以前に使用されていた手動の方法よりも大幅に改善されました。さらに、数値とデータを表すために 2 進数 (ビット) を使用した最初のコンピューターであり、これは現代のコンピューターでまだ使用されている重要な機能です。

エニアックは複雑なプログラムも組むことができ、ループ・分岐・サブルーチンといった処理も実行することができました。

当時の真空管の故障も頻繁に発生していましたが、真空管のフィラメントを定格の10%未満という低い電圧で動作させ、加熱と冷却でフィラメントが膨張と収縮を繰り返さないよう電源は落とさない等の工夫を施すことで、1954年には116時間（ほぼ5日間）という連続運転記録を達成するほど信頼性が向上しました。

エニアックの特徴

エニアックの最も重要な革新の 1 つは、機械式スイッチの代わりに電子スイッチ (真空管) を使用したことです。これにより、エニアックは機械的な前任者よりもはるかに高速で信頼性が高くなりました。さらに、エニアックは 2 進演算を使用した最初のコンピューターであり、複雑な数学的計算をより簡単に実行できるようになりました。

エニアックのもう 1 つの重要な特徴は、そのプログラム可能性でした。特定のタスクを実行するように配線されていた以前のコンピューターとは異なり、幅広い計算を実行するようにプログラムすることができました。これにより、より用途が広くなり、幅広いアプリケーションで便利になりました。

一方で、エニアックは巨大であり、実行するために大量の電力を必要とするため、輸送やさまざまな場所での使用が困難でした。さらに、真空管は故障しやすく、頻繁なメンテナンスが必要でした。

エニアックの用途

複雑な数学的計算を伴う、米陸軍の大砲の弾道射撃表を計算するために設計され、主に使用されました。

軍事計算での使用に加えて、ENIAC は気象予測や原子力などの分野の科学研究にも使用されました。その成功は、最初の商用コンピュータである UNIVAC のような他の初期の電子コンピュータの開発に影響を与えました。

現在では、コンピューティングの歴史におけるランドマークと見なされており、元のマシンはワシントン DC のスミソニアン国立アメリカ歴史博物館に展示されています。