Google DeepMind、ロボット向け推論モデル「Gemini Robotics-ER 1.6」を公開
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- 1Google DeepMindがロボットの身体化推論を担う「Gemini Robotics-ER 1.6」をGemini APIとGoogle AI Studioで提供開始
- 2ポインティング、計数、タスク成功検出、マルチビュー理解などが前世代のER 1.5とGemini 3.0 Flashを上回る
- 3Boston Dynamicsとの協業から生まれた計器読み取り機能を新搭載し、agentic vision併用で成功率93%を達成
Google DeepMindは2026年4月14日(米国時間)、ロボット向けの推論特化モデル「Gemini Robotics-ER 1.6」を発表しました。ロボットが物理世界を理解して行動するための「身体化推論(embodied reasoning)」を担うモデルの大幅アップグレードで、空間推論やマルチビュー理解を強化し、前世代のER 1.5やGemini 3.0 Flashを上回る性能を示しています。Boston Dynamicsとの協業から生まれた計器読み取り機能も新たに搭載し、同日からGemini APIとGoogle AI Studioで利用できます。
モデルの位置づけ
ロボットが日常生活や産業で真に役立つには、指示に従うだけでなく物理世界について推論する必要があるとし、デジタルの知能と物理的な行動の橋渡しをする「身体化推論(embodied reasoning)」を担う推論優先モデルの大幅アップグレードとして開発されました。視覚・空間理解、タスク計画、成功検出といったロボティクスに不可欠な推論能力に特化しています。
ロボットの高レベル推論モデルとして動作し、情報を探すためのGoogle検索、視覚・言語・行動(VLA)モデル、サードパーティーのユーザー定義関数といったツールをネイティブに呼び出しながらタスクを実行できます。ベンチマークではGemini Robotics-ER 1.5とGemini 3.0 Flashの双方を上回り、ポインティング、計数、成功検出などの空間的・物理的推論が向上しました。開発者向けには、モデルの設定方法とプロンプト例をまとめたColabも公開されています。
ポインティング(空間推論の基礎)
- ▸空間推論 — 高精度な物体検出と計数
- ▸関係論理 — 集合内で最小の物を特定するなどの比較や、XをYの場所へ動かすといったfrom-to関係の定義
- ▸動作推論 — 軌道の設定と最適な把持点の特定
- ▸制約への準拠 — 青いカップに収まる大きさの物すべてを指すといった複雑なプロンプトの推論
点を中間ステップとして使い、画像内の項目を数えたり、距離推定を改善するための顕著な点を特定して数学的な処理につなげたりできます。比較デモでは、ER 1.6が工具の数を正確に数え、画像に存在しない物体は指さないと正しく判断したのに対し、ER 1.5は数え間違いや存在しない物体のハルシネーションを起こしました。
成功検出とマルチビュー理解
タスクがいつ完了したかを知ることは、どう始めるかと同じくらい重要です。成功検出は、失敗した試行の再試行か計画の次段階への進行かを賢く選ぶための意思決定エンジンであり、自律性の要と位置づけられています。遮蔽、照明不良、曖昧な指示といった複雑な要因に対応するには、高度な知覚・推論能力と幅広い世界知識が必要になります。
現代のロボット構成の多くは頭上カメラと手首カメラなど複数の視点を持つため、ER 1.6はマルチビュー推論を強化し、複数のカメラ映像とその関係を、動的な環境や遮蔽のある環境でもよりよく理解できるようになりました。
計器読み取り
- ▸背景 — パートナーのBoston Dynamicsとの緊密な協業で見いだされた施設点検の用途。同社のロボット「Spot」が施設内の計器を巡回して撮影する
- ▸対象 — 円形の圧力計、垂直のレベル計、現代的なデジタル表示、化学サイトグラスなど
- ▸仕組み — 視覚推論とコード実行を組み合わせる「agentic vision」を活用。画像へのズーム、ポインティングとコード実行による比率・間隔の推定、世界知識による意味の解釈という中間ステップを踏み、目盛り以下の精度で読み取る
- ▸成功率 — ER 1.5の23%、Gemini 3.0 Flashの67%に対し、ER 1.6単体で86%、agentic vision併用で93%
安全性
同社のロボティクスモデルとして過去最も安全なモデルとされ、敵対的な空間推論タスクにおけるGeminiの安全ポリシー順守が全世代を上回りました。液体を扱わない、20kgより重い物を持ち上げないといった物理的な安全制約を守る能力も大幅に向上しています。実際の負傷報告に基づくテキスト・動画の危険認識テストでは、Gemini 3.0 Flash比でテキストで6%、動画で10%の改善を示しました。
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