Anthropic、Claudeを拡張するスキルとMCPの使い分けを解説
「生成AIニュースメモ」は、生成AIの最新ニュースを要点3行+詳細メモで記録していくシリーズです。関連するG検定キーワード解説への内部リンク付きで、最新動向のキャッチアップと試験の時事対策に使えます。
- 1AnthropicがClaudeを拡張するスキルとMCPの関係・使い分け・組み合わせ方を解説する記事を公開
- 2MCPは外部システムへの接続を、スキルは接続を活かすための手順や専門知識を提供すると整理
- 3金融分析と会議準備の実例で、両者を組み合わせたワークフローの構築方法を紹介
Anthropicは2025年12月19日(米国時間)、Claudeの能力を拡張する2つの仕組みであるスキルとMCP(Model Context Protocol)の関係と使い分けを解説する記事を公開しました。MCPはClaudeを外部のツールやデータに接続する役割を、スキルはその接続を効果的に使うための手順や専門知識を教える役割を担います。両者を組み合わせることで、汎用的な処理ではなくチーム固有のワークフローに従うエージェントを構築できるとし、金融分析と会議準備という実際のワークフローでの連携例を紹介しています。
スキルとMCPの役割分担
記事では金物店にたとえて両者の関係を説明しています。MCPは店内の売り場に入れる状態、スキルは修理の手順や道具の使い方を教えてくれる店員の専門知識にあたります。具体的には、MCPサーバーはClaudeに外部のシステム・サービス・プラットフォームへのアクセスを与え、スキルはその接続を効果的に使うための文脈、つまりアクセスを得た上で何をすべきかを教える役割を担います。スキルが無いとClaudeはユーザーの意図を推測するしかありませんが、スキルがあればチームのプレイブックに従って動けるとしています。
組み合わせることで得られる利点
- ▸明確な情報探索 — どの情報源をどの順に確認するかをスキルが指定し、Claudeが探す場所を推測しなくて済む
- ▸確実なオーケストレーション — 複数ステップのワークフローの順序をスキルが明示し、毎回同じ流れで実行される
- ▸一貫した成果物 — チームにとっての完成形(構成・詳細度・トーン)をスキルが定義し、出力が基準を満たす
1つのスキルが複数のMCPサーバーを協調させることも、1つのMCPサーバーを多数のスキルが使うこともでき、構成が組み合わせ可能に保たれる点も利点として挙げています。接続を追加すれば既存のスキルがそれを取り込め、スキルを磨けば接続済みの全ツールで効果が出るという関係です。
両者が重複する場合の整理
MCPサーバー自体もツールの使い方のヒントやプロンプトを含むことがありますが、これらは汎用的に保つべきだとしています。経験則として、MCP側の指示はサーバーとツールを正しく使う方法を、スキル側の指示は特定の業務プロセスや複数サーバーをまたぐワークフローでの使い方をカバーします。MCPサーバーがJSONを返すよう指示し、スキルがMarkdownの表への整形を指示するような指示の衝突には注意が必要で、接続はMCPに、表現・順序・ワークフローのロジックはスキルに任せるべきだとしています。
実例
- ▸金融分析(類似企業比較分析) — Anthropicが公開した金融ワークフロー向けスキルが、S&P Capital IQ・Daloopa・MorningstarへのMCP接続で市場データを取得し、一貫した評価手法の適用とコンプライアンス基準に沿った出力整形までを自動化
- ▸会議準備(NotionのMeeting Intelligenceスキル) — 検索すべきページ(プロジェクト・過去の議事録・関係者情報)をスキルが特定し、MCP接続でNotionから内容を取得、社内向け事前資料と社外向けアジェンダの2文書を整形してNotionに保存
使い分けの指針
- ▸スキルが向く場面 — ツールを使う複数ステップのワークフロー、一貫性が求められるプロセス、共有したい専門知識や調査手法、担当者が離れても残すべき組織知
- ▸MCPが向く場面 — リアルタイムのデータアクセス、外部システムでの操作実行、ファイル操作、API連携
- ▸読み込みの違い — スキルは関連する場面でオンデマンドに読み込まれ、MCPのツール定義は接続時に事前に読み込まれる
やり方を説明したいならスキル、何かにアクセスさせたいならMCP、という整理を示しています。スキルはMCPを置き換えるものではなく、強力なワークフローの多くは両方を使うとし、1つのスキルで複数のMCPサーバーを協調させることも、1つのMCPサーバーに複数のスキルを用意することも可能としています。
補足
2025年12月18日付の更新として、Agent Skillsをクロスプラットフォームで移植可能なオープン標準として公開したことが記事冒頭に追記されています。利用を始めるには、claude.aiの設定でスキルを有効化してスキルライブラリを参照する方法と、自社ツール向けのMCPサーバーを探して接続する方法が案内されています。
関連キーワードの解説記事で、背景となる技術・概念を確認できます。
最新のまとめ号はこちらです。その月の生成AIニュースの全体傾向と、G検定試験風の理解度チェック問題を1本にまとめています。
