このシリーズではG検定の要点を項目ごとにまとめています。
今回の記事ではシラバスをもとに「G検定の試験内容」について紹介します。
試験の概要
G検定(公式名:ジェネラリスト検定)は、JDLA:Japan Deep Learning Association(一般社団法人日本ディープラーニング協会)が実施している試験です。
G検定の「G」はジェネラリスト(generalist)の頭文字の「G」です。
JDLAではG検定の名称にも使われている「ジェネラリスト」を「基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材」と定義しています。
G検定のシラバスの目玉であるディープラーニング(深層学習)とは、人工知能・機械学習の手法のひとつです。
G検定のシラバスとは
G検定の試験出題範囲(シラバス)が公開されています。
詳細は公式ページの以下のリンクからご確認いただけます。
ここからは、シラバスの項目を紹介します。
第1回:人工知能とは
1.1 人工知能の定義
人工知能とは何か、人工知能のおおまかな分類、AI 効果、人工知能とロ ボットの違い、推論、認識、判断、エージェント、古典的な人工知能、機械学習、ディープラーニング
1.2人工知能研究の歴史
世界初の汎用コンピュータ、ダートマス会議、人工知能研究のブームと冬の時代、エニアック (ENIAC)、ロジック・セオリスト、トイ・プロブレム、エキスパートシステム、第五世代コンピュータ、ビッグデータ、機械学習、特徴量、ディープラーニング、推論・探索の時代、知識の時代、機械学習と特徴表現学習の時代、ディープブルー
第2回:人工知能をめぐる動向
2.1 探索・推論
探索木、幅優先探索、深さ優先探索、プランニング、STRIPS、SHRDLU、アルファ碁 (AlphaGo)、ヒューリスティックな知識、MiniMax 法、αβ 法、ブルートフォース、モンテカルロ法
2.2 知識表現
人工無脳、知識ベースの構築とエキスパートシステム、知識獲得のボトル ネック(エキスパートシステムの限界)、意味ネットワーク、オントロ ジー、概念間の関係 (is-a と part-of の関係)、オントロジーの構築、ワト ソン、東ロボくん、イライザ (ELIZA)、イライザ効果、マイシン (MYCIN)、DENDRAL、知識獲得のボトルネック(エキスパートシステムの限界)、インタビューシステム、意味ネットワーク、is-a の関係、has-a の関係、part-of の関係、オントロジー、Cycプロジェクト、推移律、ウェブマイニング、データマイニング、ワトソン、Question-Answering、セマンティック Web
2.3 機械学習・深層学習
データの増加と機械学習、ビッグデータ、レコメンデーションエンジン、スパムフィルター、機械学習と統計的自然言語処理統計的、自然言語処理、コーパス、人間の神経回路、単純パーセプトロン、誤差逆伝播法、オートエンコーダ、ILSVRC、特徴量、次元の呪い、機械学習の
定義、パターン認識、画像認識、特徴抽出、一般物体認識、OCR
第3回:人工知能分野の問題
3.1 人工知能分野の問題
トイ・プロブレム、フレーム問題、チューリングテスト、強い AI と弱いAI、シンボルグラウンディング問題、身体性、知識獲得のボトルネック、特徴量設計、シンギュラリティ、ローブナーコンテスト、中国語の部屋、機械翻訳、ルールベース機械翻訳、統計学的機械翻訳、特徴表現学習
第4回:機械学習の具体的手法
4.1 教師あり学題
線形回帰、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、ブースティング、サポートベクターマシン (SVM)、ニューラルネットワーク、自己回帰モデル (AR)、分類問題、回帰問題、半教師あり学習、ラッソ回帰、リッジ回帰、決定木、アンサンブル学習、バギング、勾配ブースティング、ブートストラップサンプリング、マージン最大化、カーネル、カーネルトリック、単純パーセプトロン、多層パーセプトロン、活性化関数 、シグモイド関数、ソフトマックス関数、誤差逆伝播法、ベクトル自己回帰モデル (VARモデル)、隠れ層、疑似相関、重回帰分析、AdaBoost、多クラス分類、プルーニング
4.2 教師なし学習
k-means 法、ウォード法、主成分分析 (PCA)、協調フィルタリング、トピックモデル、クラスタリング、クラスタ分析、レコメンデーション、デンドログラム(樹形図)、 特異値分解 (SVD) 、多次元尺度構成法、t-SNE、コールドスタート問題、コンテンツベースフィルタリング、潜在的ディリクレ配分法(LDA)、次元削減、次元圧縮
4.3 強化学習
バンディットアルゴリズム、マルコフ決定過程モデル、価値関数、方策勾配、
割引率、ε-greedy 方策、UCB 方策、マルコフ性、状態価値関数、行動価値関数、Q値、Q学習、REINFORCE、方策勾配法、Actor-Critic、A3C
4.4 モデルの評価
正解率・適合率・再現率・F 値、ROC 曲線と AUC、モデルの解釈、モデルの選択と情報量、交差検証、ホールドアウト検証、k- 分割交差検証、混同行列、過学習、未学習、正則化、L0 正則化、L1 正則化、L2 正則化、ラッソ回帰、リッジ回帰、LIME、SHAP、オッカムの剃刀、赤池情報量基準 (AIC)、汎化性能、平均二乗誤差、偽陽性-偽陰性、第一種の過誤-第二種の過誤、訓練誤差、汎化誤差、学習率、誤差関数
第5回:ディープラーニングの概要
5.1 ニューラルネットワークとディープラーニング
単純パーセプトロン、多層パーセプトロン、ディープラーニングとは、勾配消失問題、信用割当問題、誤差逆伝播法
5.2 ディープラーニングのアプローチ
事前学習、オートエンコーダ、積層オートエンコーダ、ファインチューニング、深層信念ネットワーク、制限付きボルツマンマシン
5.3 ディープラーニングを実現するには
CPU と GPU、GPGPU、ディープラーニングのデータ量、TPU
5.4 活性化関数
tanh 関数、ReLU 関数、シグモイド関数、ソフトマックス関数、Leaky ReLU 関数
5.5 学習の最適化
勾配降下法、勾配降下法の問題と改善、学習率、誤差関数、交差エントロピー、イテレーション、エポック、局所最適解、大域最適解、鞍点、プラトー、モーメンタム、AdaGrad、AdaDelta、RMSprop、Adam、AdaBound、AMSBound、ハイパーパラメータ、ランダムサーチ、グリッドサーチ、確率的勾配降下法、最急降下法、バッチ学習、ミニバッチ学習、オンライン学習、 データリーケージ
5.6 更なるテクニック
ドロップアウト、早期終了、データの正規化・重みの初期化、バッチ正規化、過学習、アンサンブル学習、ノーフリーランチの定理、二重降下現象、正規化、標準化、白色化
第6回:ディープラーニングの手法
6.1 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)
CNN の基本形、畳み込み層、プーリング層、全結合層、データ拡張、CNN の発展形、転移学習とファインチューニング、ネオコグニトロン、LeNet、サブサンプリング層、畳み込み、フィルタ、最大値プーリング、平均値プーリング、グローバルアベレージプーリング(GAP)、Cutout、Random Erasing、Mixup、CutMix、MobileNet、Depthwise Separable Convolution、NAS (Neural ArchitectureSearch)、EfficientNet、NASNet、MnasNet、転移学習、局所結合構造、ストライド、カーネル幅,プーリング,スキップ結合、各種データ拡張、パディング
6.2 深層生成モデル
生成モデルの考え方、変分オートエンコーダ (VAE)、敵対的生成ネットワーク (GAN)、ジェネレータ、ディスクリミネータ、DCGAN、Pix2Pix、CycleGAN
6.3 画像認識分野
物体識別タスク、物体検出タスク、セグメンテーションタスク、姿勢推定タスク、マルチタスク学習、ILSVRC、AlexNet、Inception モジュール、GoogLeNet、VGG、スキップ結合、ResNet、Wide ResNet、DenseNet、SENet、R-CNN、FPN、YOLO、矩形領域、SSD、Fast R-CNN、Faster R-CNN、セマンティックセグメンテーション、インスタンスセグメンテーション、パノプティックセグメンテーション、FCN (Fully Convolutional Netwok)、SegNet、U-Net、PSPNet、Dilation convolution、Atrous convolution、DeepLab、Open Pose、Parts Affinity Fields、Mask R-CNN
6.4 音声処理と自然言語処理分野
データの扱い方、リカレントニューラルネットワーク (RNN)、Transformer、自然言語処理における Pre-trained Models、LSTM、CEC、GRU、双方向 RNN (Bidirectional RNN)、RNN、Encoder-Decoder、BPTT、Attention、A-D 変換、パルス符号変調器(PCM)、高速フーリエ変換 (FFT)、スペクトル包絡、メル周波数ケプストラム係数 (MFCC)、フォルマント、フォルマント周波数、音韻、音素、音声認識エンジン、隠れマルコフモデル、WaveNet、メル尺度、N-gram、BoW (Bag-of-Words)、ワンホットベクトル、TF-IDF、単語埋め込み、局所表現、分散表現、word2vec、スキップグラム、CBOW、fastText、ELMo、言語モデル、CTCSeq2Seq、Source-Target Attention、Encoder-Decoder Attention、Self-Attention、位置エンコーディング、GPT、GPT-2、GPT-3、BERT、GLUE、Vision Transformer、構文解析、形態要素解析
6.5 深層強化学習分野
深層強化学習の基本的な手法と発展、深層強化学習とゲーム AI、実システム制御への応用、DQN、ダブル DQN、デュエリングネットワーク、ノイジーネットワーク、Rainbow、モンテカルロ木探索、アルファ碁 (AlphaGo)、アルファ碁ゼロ(AlphaGo Zero)、アルファゼロ (Alpha Zero)、マルチエージェント強化学習、OpenAI Five、アルファスター (AlphaStar)、状態表現学習、連続値制御、報酬成形、オフライン強化学習、sim2real、ドメインランダマイゼーション、残差強化学習
6.6 モデルの解釈性とその対応
ディープラーニングのモデルの解釈性問題、Grad-CAM、モデルの解釈、CAM
6.7 モデルの軽量化
エッジ AI、モデル圧縮の手法 蒸留、モデル圧縮、量子化、プルーニング
第7回:ディープラーニングの社会実装に向けて
7.1 AIと社会
AI のビジネス活用と法・倫理 AI による経営課題の解決と利益の創出、法の順守、ビッグデータ、IoT、RPA、ブロックチェーン
7.2 AIプロジェクトの進め方
AI プロジェクト進行の全体像、AI プロジェクトの進め方、AI を運営すべきかの検討、AI を運用した場合のプロセスの再設計、AI システムの提供方法、開発計画の策定、プロジェクト体制の構築、CRISP-DM、MLOps、BPR、クラウド、WebAPI、データサイエンティスト、プライバシー・バイ・デザイン
7.3 データの収集
データの収集方法および利用条件の確認、法令に基づくデータ利用条件、学習可能なデータの収集、データセットの偏りによる注意、外部の役割と責任を明確にした連携オープンデータセット、個人情報保護法、不正競争防止法、著作権法、特許法、個別の契約、データの網羅性、転移学習、サンプリング・バイアス、他企業や他業種との連携、産学連携、オープン・イノベーション、AI・データの利用に関する契約ガイドライン
7.4 データの加工・分析・学習
データの加工、プライバシーの配慮、開発・学習環境の準備、アルゴリズムの設計・調整、アセスメントによる次フェーズ以降の実施の可否検討、アノテーション、匿名加工情報、カメラ画像利活用ガイドブック、ELSI、ライブラリ、Python、Docker、Jupyter Notebook、 説明可能、AI (XAI)、フィルターバブル、FAT、PoC
7.5 実装・運用・評価
本番環境での実装・運用、成果物を知的財産として守る、利用者・データ保持者の保護、悪用へのセキュリティ対策、予期しない振る舞いへの対
処、インセンティブの設計と多様な人の巻き込み著作物、データベースの著作物、営業秘密、限定利用データ、オープンデータに関する運用除外、秘密管理、個人情報、GDPR、十分性制定、敵対的な攻撃(Adversarial attacks)、ディープフェイク、フェイクニュース、アルゴリズムバイアス、ステークホルダーのニーズ
7.6 クライシス・マネジメント
体制の整備、有事への対応、社会と対話・対応のアピール、指針の作成、議論の継続、プロジェクトの計画への反映、コーポレートガバナンス、内部統制の更新、シリアス・ゲーム、炎上対策とダイバーシティ、AI と安全保障・軍事技術、実施状況の公開、透明性レポート、よりどころとする原則や指針、Partnership on AI、運用の改善やシステムの改修、次への開発と循環
第8回:数理・統計
8.1 数理・統計
統計検定3級程度の基礎的な知識、統計検定3級程度の基礎的キーワードと計算問題
第9回:関連情報(シラバス外・時事ネタ等)
9.1単語集
Googleの猫、みにくいアヒルの子の定理、モラベックのパラドックス、End-to-End Learning、常識推論、スパースモデリング、デジタルトランスフォーメーション(DX)、Society5.0
9.2 技術同行・時事ネタ
Google Scholar(グーグルスカラー)、AutoML(Automated Machine Learning)、データサイエンティストに求められるスキルセット
9.3 AI関連の国際会議・学会
AAAI(Association for the Advancement of Artificial Intelligence)、CVPR(Conference on Computer Vision and Pattern Recognition)
9.4 自動運転
自動運転に関する法律(SAE J 3016)、自動運転と道路交通法
9.5 ドローン
ドローンに関する法律、航空法により禁止・遵守が求められる規制
9.6 ロボティクス
ロボティクス、一気通貫学習
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事ではG検定の試験内容を紹介しました。
まずは試験内容を把握し、ぜひ合格に向けて頑張ってくださいね。