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バンディットアルゴリズム

強化学習では将来の累積報酬が最大となるような行動を取る必要があるが、行動の組み合わせは無限にある。そこで「活用」と「探索」という考え方を用いる。

バンディットアルゴリズムは、不完全な情報の中で最適な選択肢を見つけ出すための一連のアルゴリズムです。多腕バンディット問題(Multi-Armed Bandit Problem)として知られる枠組みを通じて、探索(新しい選択肢を試すこと)と利用(既知の最適な選択肢を使うこと)のトレードオフを考慮しながら、最適な選択肢を特定することが目的となります。

バンディットアルゴリズムの重要性は、その幅広い応用範囲によります。以下は、バンディットアルゴリズムが重要な役割を果たすいくつかの分野です。

  1. オンライン広告: 広告主は、最も効果的な広告を特定し、クリック数やコンバージョン率を最大化したいと考えます。バンディットアルゴリズムを使用することで、効果的な広告を迅速に特定し、広告主に最適な広告戦略を提供できます。
  2. 推薦システム: オンラインショッピングや動画配信サービスなどのプラットフォームでは、ユーザーに適切な商品やコンテンツを推薦することが重要です。バンディットアルゴリズムを使用することで、ユーザーの好みに応じた適切なアイテムを効果的に推薦できます。
  3. A/Bテスト: ウェブサイトのデザインや機能を最適化するため、複数のバリエーションを試すことが一般的です。バンディットアルゴリズムを適用することで、効果的なバリエーションを迅速に特定し、リソースを効率的に利用できます。
  4. 医療: 患者に対する治療法の選択において、バンディットアルゴリズムは、最適な治療法を特定し、治療効果を最大化することに役立ちます。

マルチアームドバンディット問題

マルチアームドバンディット問題 (Multi-Armed Bandit Problem) は、確率的報酬を持つ複数の選択肢から、合計報酬を最大化するような選択を行う問題です。この問題は、探索と利用のトレードオフを考慮することが重要です。

問題の定義: マルチアームドバンディット問題では、n個の異なるアーム(選択肢)があります。各アームは確率的報酬を持ち、それぞれ異なる報酬分布に従います。エージェントは、一度に1つのアームを引くことができ、そのアームの報酬が得られます。エージェントの目的は、ある期間内(あるいはある回数内)で獲得する合計報酬を最大化することです。

例: あるカジノには、それぞれ異なる確率で勝利する5台のスロットマシン(アーム)があります。プレイヤーは、どのスロットマシンを選んで遊ぶか決定する必要があります。プレイヤーの目的は、限られた回数のプレイで最大の報酬を得ることです。

探索と利用のトレードオフ (Exploration-Exploitation Trade-off): マルチアームドバンディット問題において、エージェントは以下の2つの戦略をバランスさせる必要があります。

  1. 探索 (Exploration): 未知のアームを引くことで、報酬分布に関する情報を収集します。これにより、将来の選択に役立つ知識が得られる可能性があります。ただし、探索を行うことで短期的な報酬が得られないリスクがあります。
  2. 利用 (Exploitation): これまでの経験から最適と思われるアームを引くことで、短期的な報酬を最大化します。ただし、利用ばかり行っていると、より良い報酬をもたらす未知のアームを見逃すリスクがあります。

エージェントは、探索と利用のバランスを取りながら、合計報酬を最大化する選択を行うことが求められます。バンディットアルゴリズムは、この探索と利用のトレードオフを考慮して、最適な選択肢を見つけ出すために設計されています。いくつかの代表的なバンディットアルゴリズムは以下の通りです。

  1. ε-greedy (イプシロン・グリーディ) アルゴリズム: ε-greedyアルゴリズムでは、エージェントは確率εでランダムなアームを選んで探索を行い、確率1-εでこれまでの経験から最も報酬の高いアームを選んで利用を行います。εは、探索と利用のバランスを調整するパラメータであり、0から1の間の値を取ります。
  2. Upper Confidence Bound (UCB) アルゴリズム: UCBアルゴリズムでは、エージェントは各アームの報酬の上界に基づいて選択を行います。これにより、報酬の不確実性が高いアームに重みを置くことができ、探索と利用のバランスを自動的に調整します。
  3. Thompson Sampling (TS) アルゴリズム: TSアルゴリズムでは、エージェントは各アームの報酬分布に対する事後確率分布からサンプリングを行い、最も高い報酬を持つと予測されるアームを選択します。これにより、不確実性を考慮した探索と利用のバランスを実現します。

これらのアルゴリズムは、探索と利用のトレードオフを考慮し、異なるアプローチで最適な選択肢を見つけ出すことを目指しています。実際の問題において、どのアルゴリズムが最適であるかは、問題の性質や状況によって異なります。したがって、それぞれのアルゴリズムの特性を理解し、問題に適したアルゴリズムを選択することが重要です。

基本的なバンディットアルゴリズム

以下に、各基本的なバンディットアルゴリズムの利点と欠点を表形式で比較します。

アルゴリズム利点欠点
ε-greedy法・シンプルで実装が容易。
・探索と利用のバランスがパラメータεによって直接制御されるため、調整が簡単。
・εが一定であるため、学習が進むにつれて探索の頻度を適切に減らすことが難しい。
・最適でないアームの選択が一定の確率で続くことから、無駄な探索が発生する可能性がある。
UCBアルゴリズム・探索と利用のバランスが報酬の不確実性に基づいて自動的に調整される。
・サブオプティマルなアームの選択が徐々に減少し、最適なアームの選択が増える傾向がある。
・報酬分布に関する仮定(通常は報酬が有界であること)が必要であり、これが満たされない場合には適用が難しい。
・計算量がε-greedy法よりも大きい。
Thompson Sampling・不確実性を考慮した探索と利用のバランスを実現できる。
・ベイズ的アプローチにより、事前知識を組み込むことが容易。
・実用上の性能が高く、多くの問題で他のアルゴリズムよりも優れた結果が得られることがある。
・サンプリングによるアプローチのため、計算量が他のアルゴリズムよりも大きくなることがある。
・報酬分布に関する仮定が必要であり、特定の分布に対するアルゴリズムの適用性が限定される場合がある。

実際の問題に適用する際には、問題の性質や制約条件、計算リソースなどを考慮して適切なアルゴリズムを選択することが重要です。

バンディットアルゴリズムの応用例

バンディットアルゴリズムは、さまざまな実用的な問題に対して効果的な解決策を提供します。以下にいくつかの応用事例を示します。

  1. オンライン広告の最適化: バンディットアルゴリズムは、オンライン広告の最適化において、どの広告を表示するかを効率的に決定するために使用されます。複数の広告バリエーションがあり、それぞれの広告のクリック率が事前にはわからない場合、バンディットアルゴリズムを用いて探索と利用のバランスを取りながら、最も効果的な広告を特定します。
  2. 推薦システム: バンディットアルゴリズムは、ユーザーに対して最も適切なアイテムやコンテンツを推薦する推薦システムに応用されます。エージェントは、ユーザーの反応に基づいて異なるアイテムの報酬を学習し、最適なアイテムを推薦することを目指します。
  3. A/Bテストの改善: A/Bテストは、ウェブサイトやアプリのデザインや機能を比較評価するための手法です。バンディットアルゴリズムは、A/Bテストの効率を向上させるために使用されます。従来のA/Bテストでは、すべてのバリエーションに同じ期間トラフィックを割り当てる必要がありましたが、バンディットアルゴリズムを用いることで、逐次的に最適なバリエーションにトラフィックをシフトすることができます。
  4. その他の分野での応用: バンディットアルゴリズムは、その他の分野でも応用されています。例えば、医療の臨床試験で最適な治療法を見つけるため、ポートフォリオ最適化や金融取引でリスクとリターンのバランスを取るため、機械学習のハイパーパラメータ最適化、ロボットの制御や経路計画などの分野で使用されています。

発展的なバンディットアルゴリズム

基本的なバンディットアルゴリズムは多くの応用に対して有効ですが、より複雑な問題に対処するために、発展的なバンディットアルゴリズムが提案されています。以下に、いくつかの発展的なバンディットアルゴリズムを紹介します。

  1. コンテキストバンディット問題 (Contextual Bandits): コンテキストバンディット問題は、環境から与えられる追加情報(コンテキスト)を利用して、アームの選択を最適化する問題です。コンテキストは、例えばユーザーの属性やアイテムの特徴など、選択肢の報酬に関連する情報です。コンテキストバンディットアルゴリズムは、コンテキスト情報を利用して、より効果的な探索と利用のバランスを実現します。
  2. 階層的バンディットアルゴリズム (Hierarchical Bandits): 階層的バンディットアルゴリズムは、複数のレベルでの意思決定を行う問題に対応します。例えば、複数のアームを持つ複数のスロットマシンがある場合、エージェントは最初にどのスロットマシンを選択するか決定し、次にそのスロットマシンの中でどのアームを選択するか決定する必要があります。階層的バンディットアルゴリズムは、このような多層構造の問題に対処するための方法を提供します。
  3. 組合せバンディットアルゴリズム (Combinatorial Bandits): 組合せバンディットアルゴリズムは、複数のアームを同時に選択する問題に対応します。これは、例えば、推薦システムで複数のアイテムを同時に推薦する場合や、ポートフォリオ最適化で複数の資産を同時に選択する場合などに適用されます。組合せバンディットアルゴリズムは、アームの組み合わせの報酬を最適化するために、効率的な探索と利用のバランスを実現します。

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参考書籍

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