OpenAI、エージェント性能を高めた新モデル「GPT-5.5」を発表
「生成AIニュースメモ」は、生成AIの最新ニュースを要点3行+詳細メモで記録していくシリーズです。関連するG検定キーワード解説への内部リンク付きで、最新動向のキャッチアップと試験の時事対策に使えます。
- 1エージェント型コーディング・知識業務・科学研究で性能が向上し、Terminal-Bench 2.0で82.7%を達成
- 2GPT-5.4と同等のトークン単位レイテンシを維持しながら、より少ないトークンでタスクを完了できる効率性が特徴
- 3ChatGPTとCodexのPlus以上のプランで提供開始、サイバー・バイオ能力は「High」評価で安全対策を強化
OpenAIは2026年4月23日(米国時間)、これまでで最も高性能とする新モデル「GPT-5.5」をリリースしました。コードの作成やデバッグ、オンライン調査、データ分析、ドキュメント作成など、複数のツールをまたぐタスクを自律的に進められる点が特徴で、ChatGPTとCodexのPlus・Pro・Business・Enterpriseユーザー向けに同日から提供が始まっています。上位版の「GPT-5.5 Pro」もChatGPTのPro以上のプランで利用でき、翌24日には両モデルのAPI提供も開始されました。
モデルの概要
GPT-5.5は、ユーザーの意図を素早く理解し、自ら計画を立て、ツールを活用し、結果を確認しながら、整理されていない複雑なタスクにも対応して作業を進め続けるモデルです。一般に高性能なモデルほど応答が遅くなりがちですが、実運用環境でGPT-5.4と同等のトークン単位のレイテンシを維持しながら、同じCodexタスクをより少ないトークン数で完了できるとしています。
主要ベンチマーク
- ▸Terminal-Bench 2.0 — 複雑なコマンドラインワークフローの評価で82.7%(GPT-5.4は75.1%、Claude Opus 4.7は69.4%)
- ▸SWE-Bench Pro(公開) — 実際のGitHub Issueの解決能力を測る評価で58.6%
- ▸GDPval — 44職種の知識業務を評価するベンチマークで84.9%(勝利・引き分けの割合)
- ▸OSWorld-Verified — 実際のコンピュータ環境の自律操作を評価する指標で78.7%
- ▸Tau2-bench Telecom — カスタマーサービスワークフローの評価でプロンプトチューニングなしのまま98.0%
- ▸FrontierMath Tier 4 — 35.4%(GPT-5.4は27.1%)
- ▸ARC-AGI-2(Verified) — 85.0%(GPT-5.4は73.3%)
エージェント型コーディング
GPT-5.5は現時点で同社最高のエージェント型コーディングモデルと位置づけられています。人間の完了見積もり時間の中央値が20時間に及ぶ社内評価Expert-SWEでは73.1%を記録し、3つのコーディング評価すべてでGPT-5.4を上回るスコアをより少ないトークンで達成しました。初期テストでは、大規模システム全体でのコンテキスト維持、曖昧な障害原因の推論による特定、周辺コードベース全体への変更反映といった実務で重要な振る舞いに優れると評価されており、CursorやLovable、GitHub、JetBrainsなどのパートナーからも肯定的な声が寄せられています。
知識業務と科学研究
知識業務では、Codexでのドキュメント・スプレッドシート・スライド資料の生成でGPT-5.4を上回ります。OpenAI社内では全社の85%以上が毎週Codexを利用しており、財務部門は合計71,637ページに及ぶ24,771件のK-1納税申告書のレビューに活用して前年より2週間の短縮を実現したとのことです。
科学研究では、遺伝学・定量生物学の多段階データ分析を評価するGeneBenchでGPT-5.4を明確に上回り、バイオインフォマティクス系のBixBenchでも80.5%とスコアが公開されているモデルの中でトップクラスの性能を示しました。さらに、カスタムハーネスを備えた社内版が組合せ論の非対角ラムゼー数に関する証明の発見に貢献し、Leanによって検証されています。
推論効率と安全対策
GPT-5.5はNVIDIAのGB200およびGB300 NVL72システムを前提に共同設計され、同環境で学習・提供されています。Codexが数週間分の本番トラフィックを分析して負荷分散のヒューリスティックを改善した結果、トークン生成速度は20%以上向上しました。
安全面では、Preparedness Frameworkにおいて生物・化学分野およびサイバーセキュリティ分野の能力が「High」と評価されています(サイバーの「Critical」レベルには未達)。信頼基準を満たした認証済みユーザーに高度なサイバーセキュリティ機能をより少ない制限で提供する「Trusted Access for Cyber」をCodexから展開するほか、社内外のレッドチームとの連携や約200の早期アクセスパートナーからのフィードバック収集を経てリリースされています。
提供状況と料金
- ▸ChatGPT — Plus・Pro・Business・EnterpriseでGPT-5.5を、Pro・Business・EnterpriseでGPT-5.5 Proを提供
- ▸Codex — Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu・Goの各プランで利用可能(コンテキストウィンドウ400K)。Fast modeはコスト2.5倍でトークン生成速度1.5倍
- ▸API — gpt-5.5は入力トークン1Mあたり$5・出力トークン1Mあたり$30でコンテキストウィンドウは1M。gpt-5.5-proは入力$30・出力$180
- ▸割引と優先処理 — BatchとFlexは標準API料金の半額、優先処理は標準料金の2.5倍
- ▸更新情報 — 4月24日にGPT-5.5およびGPT-5.5 ProがAPIで利用可能になり、System Cardも更新
関連キーワードの解説記事で、背景となる技術・概念を確認できます。
最新のまとめ号はこちらです。その月の生成AIニュースの全体傾向と、G検定試験風の理解度チェック問題を1本にまとめています。
